
無理のない節電について詳しく解説
電力需給がひっ迫しているという国や電力会社の広報を見て、「どうすれば節電できるの?」と感じたことはありませんか?とくに夏や冬の電力ピーク時には、人々が節電に関する行動を何もしなければ、電力需要が供給量を上回り、ブラックアウト(大停電)を引き起こす可能性もあります。今回は、日々の生活で便利さや快適さを維持しながらできる、無理のない節電方法をご紹介します。主要家電の節電術を知ることで、こうしたリスクを回避しましょう。
1. 節電が必要な理由
電気は人々の暮らしを便利で快適にしてきました。しかし、発電するために化石燃料を燃やすとCO2が排出され、異常気象の原因でもある「地球温暖化」をより加速させることがわかってきました。

1-1. 地球温暖化を防止する:パリ協定でのCO2削減目標
節電は電気代の節約ももちろんですが、地球規模で考えると、節電は地球温暖化を防ぐことにつながるのです。 2015年にフランス・パリで開催された、COP21(気候変動枠組条約第21回締約国会議)でパリ協定が採択されました。パリ協定は、世界共通の長期目標として、世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して+2℃より低く保つとともに、+1.5℃に抑える努力を掲げています。 日本のCO2排出量は世界で5番目であり、温暖化防止には日本でのCO2排出削減が重要です。地球温暖化対策に向けた国際的な枠組みである、「パリ協定」に基づく2030年度における日本の温室効果ガス排出削減目標は、2013年度比46%となっています。この目標を達成するためには、家庭部門で約66%の削減が必要になるのです。
1-2. 大停電を回避する
電気の需要と供給のバランスが崩れ、供給が追い付かなくなると、大手電力会社の管轄する地域のすべてで一定時間停電してしまいます。これを「大停電(ブラックアウト)」と言います。節電は大停電の回避にもつながるのです。ひとりひとりが意識することで、大停電を防いでいきましょう。
1-3. 電気代を節約する
ここまで地球環境や社会全体のレベルで節電の必要性を説明してきました。しかし、私たちの生活に直結するレベルでは、「電気代を安くする」ことがまっさきに挙げられるでしょう。 さまざまな家電を消費電力の大きい順に並べると以下のようになります。
- エアコン
- 電気冷蔵庫
- 照明器具
- テレビ
消費電力が大きいものから対策を講じれば、効率的に節電できます。
2. 無理のないエアコン節電術

ここからは、消費電力量の大きいエアコンの節電方法をご紹介します。家庭でできる節電方法ですので、無理のない範囲で取り組んでみましょう。
2-1. カーテンなどで窓からの熱を遮断
夏の熱気や冬の冷気の多くは窓から入ります。そして、冷房時の熱の73%が窓や扉からと言われています。
遮熱効果の高いカーテンや防熱シートは日ざしと熱気・冷気を防ぎ、冷房や暖房効率を上げるのです。外出時もカーテンを閉め、室温上昇を抑えましょう。
2-2. 室外機の周りにものを置かない
エアコンの室外機の吹出口に物を置くと冷房効果が下がります。吹出口や周辺に物を置かないようにしましょう。また、直射日光が当たると冷房効果が低下するため、すだれなどの日よけで日陰を作ると効果的です。
2-3. こまめにフィルターを掃除
エアコンのフィルター詰まりにより風量が低下すると、冷暖房の効率が悪くなります。消費電力の増加を防ぐため、こまめにフィルターを掃除しましょう。
2-4. 扇風機やサーキュレーターで空気を循環させよう
空気は温度が高いと上へ、低いと下へ移動します。エアコン使用時の「温度むら」は、エアコンが部屋を冷やし過ぎたり暖め過ぎたりしている状態ですから、電気の無駄づかいと言えます。扇風機やサーキュレーターで空気を循環させましょう。
2-5. 風量は「自動」にする
風量を「弱」にすると消費電力は小さくなりますが、部屋が設定温度になるまで時間がかかり、結果として「自動」よりも消費電力が増えます。短時間で快適な温度になる「自動」がおすすめです。
2-6. スイッチのオンオフを繰り返さない
エアコンは、こまめにスイッチをオンオフしても節電にはなりません。それは、スイッチを入れた直後に最も電力を消費するためです。30分程度の外出なら、つけっぱなしの方が節電につながります。
3. 冷蔵庫の効果的な節電方法

冷蔵庫の節電方法を知ることで、電力消費を抑え、環境にもやさしい生活を送れます。冷蔵庫の効果的な節電方法をご紹介しますので、ぜひ実践してみてください。
3-1. 設定温度:夏は「中」冬は「弱」にする
冷蔵庫の扉を頻繁に開けると冷気が逃げ、消費電力が増えます。
開閉回数を極力減らし、温度設定を夏は「中」、冬は「弱」にすると節電できます。
3-2. 食材を詰め込み過ぎない
冷蔵庫に食材を詰め込み過ぎると冷気の流れが悪くなり、均一に冷えません。常温保存可能なもの、たとえば開封前の缶詰やびん詰・調味料は冷蔵庫には入れないようにしましょう。
3-3. 熱いものは冷ましてから入れる
熱いものを冷蔵庫に入れると庫内の温度が上がり、余分なエネルギーが消費されます。麦茶やカレーなど熱いものは冷ましてから入れましょう。
3-4. 傷んだパッキンは交換する
傷んだパッキンから冷気が漏れると電力の無駄になります。定期的にチェックし、傷んでいたら交換しましょう。
4. 生活習慣を見直し節電しよう

生活習慣を見直して、節電効果を上げることも可能です。
たとえば、家族みんながリビングで過ごすようにすることで、照明やエアコンの節電ができます。
掃除機の紙パックがいっぱいになったらすぐに交換したり、パソコンを省電力設定にしたりするなど、日常の小さな対策も効果的です。さらに、ガスの省エネも意識し、お風呂は間を空けずに入る、調理時間を短縮するなどの工夫を心がけましょう。
5. まとめ
今回は、日々の生活で便利さや快適さを維持しながらできる、無理のない節電方法をご紹介しました。節電は、電気代の節約だけでなく、地球温暖化防止にも役立ちます。この記事で詳しく解説したように、常日頃の小さな工夫が大きな節電効果を生むのです。家庭でできる節電方法を実践し、環境にやさしい生活を送りましょう。 兵庫県養父市にあります「株式会社フリーライフ」は、家庭用太陽光パネルと蓄電池のご提供と、住宅のリフォーム工事を行っています。「停電してしまった時に備えたい」「家庭で蓄えた余剰電力を売りたい」、あるいは「住宅のリフォームと同時に住宅向けの太陽光発電も設置してみたい」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。