
停電で活躍する家庭用蓄電池の使い方・選び方を解説
兵庫県豊岡市は、美しい自然に恵まれた住みやすい地域として知られています。しかし、過去には台風や豪雨などの自然災害に見舞われたことがあり、それに伴う停電も発生しています。自治体レベルでは防災対策も講じられていますが、市民としても備えが必要です。今回は、停電時に役立つ家庭用蓄電池の選び方や使い方について詳しく解説します。たびたび報じられる自然災害に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
1. 兵庫県豊岡市:自然災害への取り組み
豊岡市は兵庫県の北部、但馬地域に位置し、約8割を森林が占める自然豊かな地域です。豊岡市は日本で最後の野生コウノトリの生息地として知られ、保護・繁殖活動が行われています。また、城崎温泉や出石城下町などの観光地も有名で、年間420万人以上の観光客が訪れます。

1-1. 豊岡市の自然災害
豊岡市は自然豊かな地域であり、自然災害の影響を受けやすい地域でもあります。とくに、台風や豪雨による被害が何度も発生しています。
2023年8月の台風7号では、記録的な降水量とともに土砂崩れや浸水被害が発生し、多くの住民が避難を余儀なくされました。
また、冬季には積雪による被害も報告されており、電気設備に影響を及ぼすこともあります。
1-2. 停電の発生状況
豊岡市では、上述のように自然災害による停電がたびたび発生しています。2023年8月12日には、日高町で倒木が原因とみられる停電が発生し、約100世帯が影響を受けました。また、冬季の積雪による停電もあり、2020年12月には約1500軒が停電被害を受けています。
1-3. 防災対策
豊岡市では、防災対策として防災マップの提供や避難所の設置などが行われています。市の公式ウェブサイトでは、洪水や土砂災害のリスクを確認できる防災マップが公開されており、住民が自宅周辺の災害リスクを把握するための情報が提供されています。災害時には迅速な避難が求められるため、日頃から避難経路の確認や非常持ち出し品の準備が必要です。
1-4. 家庭用蓄電池への補助金制度導入
豊岡市には、停電時にも活用できる家庭用のリチウムイオン蓄電池や太陽光発電システムに対する補助金制度があります。元々は再生可能エネルギーの導入促進を目的とした制度ですが、これらの設備は災害時の停電にも活用できます。太陽光発電システム、家庭用蓄電池ともに、1kWあたり3万円(上限4kW)の補助が受けられます。とくに豊岡市内産のパネルを使用する場合は、1kWあたり4万円まで補助金が増額されるのも魅力です。
2. 停電で役立つ!家庭用蓄電池の選び方や活用法
突然起きる停電に強い味方となってくれるのが「家庭用蓄電池」です。ここでは、家庭用蓄電池の選び方や停電時の活用法について解説します。

2-1. 家庭用蓄電池の種類:「定置型蓄電池」がおすすめ
家庭用蓄電池には、以下の2種類のタイプがあります。
- ポータブル蓄電池…小型で主にレジャー・アウトドア用
- 定置型蓄電池…住宅で使用するために開発された大型のもの
停電時に長時間使用することを考えると、蓄電容量の大きい「定置型蓄電池」がおすすめです。
2-2. 在宅避難時にも活用できる
在宅避難とは、災害が発生した際、自宅に倒壊や浸水などの危険性がない場合に、自宅で避難生活を送ることです。在宅避難では他人と一緒に過ごす必要がないため、プライバシーが保たれます。とくに乳幼児やペットと一緒に暮らしている場合、誰の目も気にせず生活を送れるのは大きな利点です。 在宅避難を選択する際の判断基準として、電気・ガス・水道などのライフラインの確保が挙げられます。ガスはカセットコンロ、水道はペットボトルの水で対応できますが、電気は簡単にはいきません。蓄電池があれば停電時でも電力を使用できるため、在宅避難に移行しやすくなります。
2-3. 太陽光発電との併用がおすすめ
蓄電池と太陽光発電システムを併設することで、日中の余剰電力を蓄電池に充電し、停電時や夜間に使用できます。これにより長時間の電源確保が可能となります。平常時とあまり変わらない生活が送れますので、ストレスは大幅に軽減できるでしょう。 また、停電時に備えて、使いたい家電製品を「特定負荷設定」しておきましょう。複数の家電を同時に使用できます。さらに、トランスユニットをオプションで追加しておけば、家中のコンセントが利用可能となりますのでおすすめです。
3. 停電時に使えない!トラブルの原因と対策
せっかく家庭用蓄電池が設置してあっても、いざという時に使えなくては何にもなりません。停電時に使えないトラブルの主な原因と対策をご紹介します。

3-1. 「自立運転モード」になっていない
家庭用蓄電池は、自立運転モードに切り替わっていないと、停電時に作動しません。このモードは、停電時に電力会社の送配電網から切り離し、家庭内で電気を自家消費できる機能です。
家庭用蓄電池の中には、手動で自立運転モードに切り替えなければならない製品もあります。
蓄電池を選ぶ際には、施工販売業者に切り替え方法を確認し、設置後は速やかに自立運転モードへ切り替えておきましょう。
3-2. 家庭用蓄電池の出力不足
複数の家電製品や住宅設備を同時に使用する場合、家庭用蓄電池の出力が不足していると動作しないことがあります。 蓄電池の出力とは、蓄えた電気を一度に放電できる量のことです。メーカーの仕様書には、kVA(キロボルトアンペア)で表記されています。たとえば、停電時の最大出力が5kVAの場合、5,000Wまでの消費電力の家電に対応できることを意味します。 太陽光発電の場合、停電時の自立出力はメーカーに関係なく一律1.5kVAです。しかし、蓄電池の出力はメーカーによって異なるため、事前に施工販売業者やカタログで確認しておくことが重要です。
3-3. 蓄電容量不足:太陽光発電との併用が必要!
停電時に家庭用蓄電池の蓄電容量が不足していると、家電製品や住宅設備を稼働できません。蓄電容量とは、家庭用蓄電池に蓄えられる電気の量を指します。小型の蓄電池は4kWhから5kWh程度の容量で、大型タイプでも9kWhか10kWhです。 一方、停電時の平均的な消費電力は1日約4kWhとされています。大容量の家庭用蓄電池でもすぐに電力が尽きてしまうため、太陽光発電と組み合わせて適時に満充電しておくことが重要です。
4. まとめ
養父市にお住いの方で、「停電時に際し、日頃から備えておきたい」あるいは「家庭で使う電気は太陽光発電でまかない、余剰電力を販売に回したい」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。